妊娠中の方、妊娠がわかった方、妊娠のご報告、というのは仕事柄多くあるのですが、
よく遭遇しているので、本当に少子化なの?!
と思ってしまいますが、統計では少子化ですね・・
病院の中でも唯一といっていいほどめでたいのが「産科」
とはいえ、妊娠がすぐにご縁がない場合もありますし、(それはそれはとても忍耐がいることだと思っています)
妊娠したって、すぐに大喜び、というよりは、安心はもう少し安定してからだったりします。
とはいえ、めでたい妊娠中に気を付けていただきたいコトの一つとして「免疫」について
妊娠中に「免疫が下がる」とよく言われますが、実は単純に弱くなるのではなく、胎児を守るために免疫の“バランス”が変化しているのです。
妊娠中に免疫が変化する理由
胎児は「半分は異物」
赤ちゃんはお母さんの遺伝子だけでなく、お父さんの遺伝子も受け継いでいます。
免疫の仕組みから見ると「自分とは違う異物」にあたるため、そのままでは拒絶反応(攻撃)してしまう可能性がある、と考えられています。
妊活では免疫を抑えるお薬を使うこともありますのでね。
免疫のバランスをシフトさせる
妊娠中は、免疫の「攻撃型(Th1)」が抑えられ、「調整型(Th2)」が優位になります。
これにより胎児を異物とみなさず、着床・成長を守ることができんです。
感染症にかかりやすくなる
攻撃型免疫が抑えられているため、ウイルスや細菌に対する抵抗力は一時的に弱まります。
そのため妊娠中は風邪やインフルエンザにかかりやすく、重症化しやすいことも・・
よく当院ではお伝えしますが、妊娠中、温泉や公衆浴場へ行くことは「カンジタ」などの細菌感染のリスクもありますので
控えてるのがよいと思います。
一方でアレルギーや自己免疫疾患が軽くなることも
Th1(攻撃性)が抑えられることで、リウマチや多発性硬化症など「自己免疫性疾患」が妊娠中に改善する例も知られています。
東洋医学的な視点は?
妊娠中は「母体の気血」が胎児の成長に注がれるため、母体側は「正気(せいき:免疫力のようなもの)」が不足しやすくなります。
そのため「外邪(風邪・湿気・冷え)」の影響を受けやすいと考えられています。
養生の基本は「無理をせず、休む」「体を冷やさない」「気血を補う食事(穀物・豆類・根菜)」ですよ。
妊娠中は免疫が落ちるのではなく、赤ちゃんを異物と攻撃しないように免疫の方向を切り替えているため、外からの感染には弱くなるのです。
からだって、本当にすごいですね~。