スマホやパソコンを長時間見ていると「目が疲れる」「かすむ」「ショボショボする」と感じるのは、多くの人が経験していることで
当院でもよく相談されることの一つです。
からだの仕組みと東洋医学の視点の両方から書いていきますね。
ピントを合わせる筋肉(毛様体筋)の使いすぎ
スマホやパソコンの画面を見るとき、私たちの目は“近くを見る”状態になります。
このとき働いているのが「毛様体筋(もうようたいきん)」という筋肉です。
ずっと近くを見続けると、この筋肉が緊張しっぱなしになり、
まるで長時間ペンを握って手がこるように、目も「筋肉疲労」を起こします。
まばたきの回数が減る
画面に集中していると、まばたきの回数は普段の半分以下に。
確かに・・って思いませんか??
まばたきは目の表面に涙を広げて、乾燥を防ぐ大切な動きですが、
回数が減ることで“ドライアイ”になり、目がショボショボ・ヒリヒリしやすくなります。
ブルーライトや画面の光の刺激
スマホやパソコンから出るブルーライトは、波長が短くエネルギーが強いため、
網膜(もうまく)に負担をかけたり、自律神経を刺激して眠りの質を下げることもあるそうです。
夜遅くまで画面を見ると、脳が“昼”と勘違いして休めなくなってしまいます。
東洋医学でみる「目の疲れ」
東洋医学では、目の働きは肝(かん)と深く関係しています。
肝は「血(けつ)」を蓄えて、全身や目に栄養を届ける臓。
そのため、目を酷使すると「肝の血」を消耗し、次のようなサインが出てきます。
目が乾く・かすむ
光がまぶしい
イライラしやすい
眠りが浅い
生理の乱れ
つまり、“目の疲れ”は単なる局所の疲れではなく、全身のエネルギーバランスの乱れにもなってしまうんです!
では、どうしたらいいのか・・
〇1時間に一度は目を閉じて休ませる(遠くをぼんやり眺めるのも◎)
〇目の周りを温める(蒸しタオル・ホットアイマスク)
〇肝を養う食材をとる(黒豆・ほうれん草・にんじん・ブルーベリー)
〇深呼吸して“気の流れ”を整える
特に「温めるケア」は、血流を良くして目の緊張をほぐすのでおすすめです。
夜眠れない時にもとってもいいですよ。
スマホやパソコンによる目の疲れは、
単なる“視力の問題”ではなく、筋肉・涙・光・自律神経・肝の働きが複雑に関わっています。
「少し目が重いな」と感じたら、
頑張るのをやめて、“見る”ことから少し離れてみる。
その小さな休息が、心と体のリセットにもつながるかもしれません。