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更年期のホルモン事情

先日、黄体機能不全についてお伝えした時に女性ホルモンの働きについても少し触れましたが、その女性ホルモンと更年期についてです。

その前にまず女性ホルモンのひとつ、エストロゲンについて。

エストロゲンといっても3種類あるんです。

 

 

 

 

エストラジオール(E2)

・卵胞の顆粒膜細胞で作られ、閉経まで主に活躍してくれちゃうホルモンです。いや、大活躍ですね。多すぎると乳がんの原因になると考えられています。少量で効果大!

・主に血液検査で測定されるのはこのホルモンになります。

 

エストロン(E1)

・副腎や脂肪組織で作られ、閉経後、卵胞の発育がなくなり卵胞からエストラジオールが作られなくなるとこのエストロンが活躍してくれます。これも多すぎると乳がんの原因になると考えられています。ずっと一生分泌されます。

 

 

エストリオール(E3)

・妊娠時にエストラジオールやエストロンが胎盤や肝臓で変換され分泌されます。これは他と違い乳がんや子宮頸がんの予防をしてくれると考えられています。妊娠時のみ分泌されるホルモンになります。

 

 

 

 

 

排卵する卵胞からエストロゲンが分泌され、排卵後の卵の殻のような顆粒膜細胞・ぎょう膜細胞からプロゲステロンが分泌されるので更年期に向かって卵巣・子宮の働きが終わっていくと同時にホルモンも分泌されなくなるんです。

 

 

 

 

 

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ホルモンの分泌は卵胞からただただされるのではなく、脳の視床下部からの指令で量の調節が行われます。多すぎれば「多いから減らしましょう」という指令が(ネガティブフィードバック)、足りなければ「もっと出してちょうだい」という指令が(ポジティブフィードバック)があるのですが、卵巣の機能が低下してくると当然ホルモンも減ってしまうので血中のホルモン濃度が下がり、ネガティブフィードバックがどんどんされてしまいます。でも、卵巣(卵胞)はその要望に応えられない、これが更年期の症状につながってきてしまうんですね~。でも、大丈夫、私たちのからだはとっても良くできているので一定期間ネガティブフィードバックに応えないと「お、無理なのか、閉経か?」と判断し、視床下部からの指令はなくなっていきます。絶対に更年期の症状は終わります。

 

 

 

 

 

閉経ごろになるとエストロンは分泌されてがんばってはくれますが、エストラジオールに比べると作用が小さいのと、内膜をフカフカにしたりする必要はなくなるため、やはり体内での量は少なくなってきます。

視床下部からの過剰な命令とエストラジオールの低下により更年期の症状が出てくるのですが、それについてはまた次回。