日本人の50%に存在しているというピロリ菌、その全員が胃がんになるのではなく、胃がんになるのは1%なんていうデータもあるとご紹介しましたが、なぜピロリ菌は胃がんになってしまうのか、以下は土浦市の医師会からの引用です。
胃がんを起こす危険性を高めるものが、最新の研究で、3つ明らかになっています。
まず高血糖。「ピロリ菌感染+高血糖」の人は、「ピロリ菌なし+血糖正常」の人の4倍、
「ピロリ菌感染+血糖正常」の人の2.2倍胃がんになりやすかったのです。
次に喫煙。「ピロリ菌感染+喫煙」の人は、「ピロリ菌なし+非喫煙」の人の11倍、
「ピロリ菌あり+非喫煙」の人の1.6倍胃がんになりやすいのです。
最後に塩分のとりすぎ。これは動物実験ですが、
「ピロリ菌感染+がんになりやすい薬+塩分とりすぎ」は、
「ピロリ菌+がんになりやすい薬+塩分正常」に比べて3倍も胃がんになったのです。
ピロリ菌だけが悪いわけではないけれど、条件が重なるとピロリ菌は悪さをしてしまうようです。
じゃ、ピロリ菌の役割って?ピロリ菌は病原菌ではなく常在菌ということであれば役割もあるはず。
私たちの胃液ってとても強い!塩酸よりも強い酸で色々なものから体を守ってくれています。
その強い酸から胃壁を守ってくれているのが胃粘液。
胃粘液は若いうちは十分に分厚いのですが、加齢とともに薄くなるようで・・・
そうなるとピロリ菌の役割である胃液の分泌の調整機能が働き、加齢とともに薄くなった胃粘液に合わせて胃液の分泌も抑えてくれるそうです。
ピロリ菌がいなくなれば胃がんという炎症を起こす原因のものはいなくなるけれど・・・、そんなに高くない胃がんのリスクのために除去する必要があるのか、これまた自分たちの頭で考えて選択するということが必要みたいですね。