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嫌われがちな「脂肪」のすごい役割

脂肪って、本当にいなくならないかな、って日々思っています。

金と同じ価格でだれか私の脂肪を買ってくれないかしら?という妄想までしておりました。(あほ)

そうなれば、軽く億は稼げそうです。笑

 

 

 

「脂肪=悪/肥満=健康リスク」という認識を持っている人が多いと思います。

でも最近では、脂肪組織は単なる「エネルギーの貯蔵庫」ではなく、「内分泌組織/情報発信器官」として、全身の代謝や恒常性に関わってくる、

ということが分かってきました。

2024年に発表された論文のマウスを使った実験で「脳(視床下部)の特定ニューロン ⇔ 体脂肪組織(白色脂肪組織)」という

“脳-脂肪間のフィードバックループ” が “老化/寿命” に影響することが示されました。

ん?ですよね。

 

 

 

 

 

 

視床下部は「エネルギー代謝」「ホルモン調節」「食欲」「体温調節」など、身体の根幹をつかさどる中枢なんですが

加齢とともに視床下部の機能や神経のつながりが変化する、という研究もあって、脂肪がこのつながりに関係しているそうです。

 

 

 

 

最近のマウス実験 では 脂肪–視床下部ループが寿命に関与していることが判明!

 

〇視床下部のあるニューロン(ドメソメディアル視床下部=dorsomedial hypothalamus 内の Ppp1r17 を産生するニューロン)を、

老齢マウスで “常に活性化” されるよう遺伝子操作したところ、そのマウスは運動量が上がり、老化の兆候が遅れ、

通常のマウスに比べて寿命(中央値)が約 7% 延びたという報告があります。

 

〇ちょっとわかりにくいですよね、このニューロンが活性化されると交感神経を通じて白色脂肪組織を刺激 し、 脂肪組織が脂肪酸などを血中へ放出し、身体を動かすエネルギー源にする

また、脂肪組織からは「eNAMPT」という酵素が分泌され、それがまた脳(視床下部)に戻って“エネルギー代謝サイクル”を支える。これが “脳-脂肪 feedback-loop(相互作用)”です。

 

 

〇年を取ると、このループが徐々に弱まり — 視床下部ニューロンの機能低下、脂肪組織への神経支配の弱まり、脂肪組織の代謝低下、運動量低下… といった負の連鎖になってしまい、

これが加齢関連の機能低下や寿命の縮みにつながる、という仮説につながっていきます。

 

 

 

 

 

ただ、脂肪が多いといい、ということではなく、「脂肪のバランスが崩れると老化のスピードが上がる

一方で「“適切な量”を保てば、老化を抑える働きがある」ということです。

「脂肪=敵」ではなく、「脂肪+脳(視床下部)の相互作用こそが健康寿命や寿命にとって重要」という、これまでの常識とは違った視点があったということです。

 

 

 

 

ただ、この実験”はあくまでマウスでの研究であって、人間に同じ仕組みや効果があるかは、まだ証明されていません。

また、「脂肪をたくさん持てば良い」というのではなく、脂肪の“質や機能”(例えば分泌されるホルモンや代謝活性)と、脳との“信号連携”の健全さが大事、ということなので

単純に太ることを奨励するわけではありません。(残念!笑)

加齢・遺伝・生活習慣など、脂肪–視床下部ループ以外にも寿命や健康には多くの要素が関係するため、この研究は「ひとつの可能性」を示すもの、という理解が適切ですのでね。

脂肪をあまり嫌わないであげてくださいね~。

何事も「適量」ってことです。