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「五臓六腑に染みわたる」なんていうように、五臓六腑という言葉は浸透していると思います。
この五臓六腑、東洋医学では「五臓」と「六腑」に分けており
五臓は「気・血・津液」など生体に必要なものを作り出す器官
六腑は五臓が気血水を作るための材料や五臓が作ったものを通過させる空洞の器官
と考えています。
五臓の考えは五行の考えをベースにあり、蔵象論というのですが、
「蔵」は蔵の中、つまり外からは見えないお腹の中を示し
「象」は外に現れる現象を示します。
からだの中で起こっていることを、からだの外にでた症状からとらえるってことなんです。
少し話はそれますが、三国志の時代くらいになると、開腹手術も解剖もしていたという記録があり
からだの内部の事についてわかっている人もいたようです。
それより前には、〇〇の病気になりやすいのは〇〇の特徴のある人、などという統計と分析から東洋医学の基本が作られたそうです。
この五臓六腑に含まれないのが
「子宮」「卵巣」「脳」、あとは「皮膚」などがあるのですが、脳とか生殖器は入っていてもよさそうなもんだと考えてしまいます。
からだの中のことも分かっていたのであれば、脳や生殖器の機能がとても大切で五臓六腑に入ってもよさそうな気がするんですが
開腹をするということがとてもからだにとって負担が大きいこと、
脳まで病気が進行している時には当時はきっともう手を付けられない状態であったこと、
で脳や生殖器に病状が進行する前に統計と分析の東洋医学の考えで何とかしようとしたのではないかと考えられています。
脳や生殖器の病気・異変は五臓六腑の問題から生じた結果、として考えます。
また、後日触れますが、この蔵象論っていうのは、からだの中の状態をからだの外から観察するのですが、
感情との関係ってのも観察されています。今でいうストレスとの関係です。
「ストレス」って言葉、もともとは物理の世界で「外からかかる力による物質の歪み」という意味で使われていたそうなんですが、
一般に今のように心のストレスという意味で使われたのは、1936年、ハンスセリエ博士が「ストレス学説」を発表してからだそうです。
まだ100年も経っていないのに、東洋医学では数千年前から心と体のバランスについても考えていたんですね~。
東洋医学も西洋医学もすごいな、と思います。