当院を受診していただく方のなかで
「生理前のイライラをなんとかしたい」
という方、結構いらっしゃいます。お子さんやご主人につらくあたってしまうのが申し訳なくて、となんともお優しい。
イライラするのは、仕方がない、とは言いません。
からだの声を聴いて、ゆっく
りからだを休めたり、心の状態をよく保ったり、
からだに負担をかけすぎずに生活したらきっと不調はなくなると思っているので。
しかしながら、現代人はやることが多い!!!
生理前でも、容赦なく仕事も家事も、育児もやってきます。

上記の図、何度も見たことがあると思いますが、
生理の初日から「卵胞の発育のラストスパート」が始まります。
体温を低くして(36.0~36.4℃くらい)卵胞の発育を促します。
その後半にはエストロゲンが増え、さらにグッと卵胞を発育させます。
→生理中は内膜がはがれ落ちて、ずーっと出血をしているために、ふらふらしたり、頭痛があったりの症状がある方もいます
生理の初日から約2週間で今度は発育した卵胞を排卵させます。
その時にホルモンをグワーーーンと放出し(LHサージ)、排卵をさせます。
→ホルモンを大量に出すパワーを使うので、時に排卵時にぐったりしたり、だるくなったり、眠くなったり、おなかが張ったりする方もいます
排卵をしたら今度は下げていた体温を上げ(36.5~36.8℃くらい)妊娠に備えます。
その間、プロゲステロンという体温を維持するホルモンはグッと放出されます。
→体温を高く維持するというのは、パワーを使うことなので、眠い・だるい・やる気がない・イライラするなどの症状が出る方もいます
イライラしたりするのが仕方がない、とは思いませんが、卵胞を発育させて、排卵をさせ、体温を高く保つ、
これをひと月の間に体内でやっているというのはなかなかのエネルギー消費だと思います。
これをしているだけじゃなくて、食べたものを消化したり、心臓を動かしたり、肺で呼吸したり・・などなどもしているのでね。
男性が作った社会で女性が働くということに無理を感じるのはこういったこともあります。
奥様が少しだるそうにしていたり、不機嫌になっているには理由があるのかもしれません。
こういう周期がある、ということを知ってくれているだけで、女性は少し嬉しかったりもします。