東洋医学の考えで、陰陽論というものがあります。
何度も、何度もこのブログにも書いているのですが、すべてのものが陰陽に分けられるという考えです。
男性(陽)がいるから女性(陰)がいる
良い(陽)という観念があるから悪い(陰)というものがある
左(陽)という概念があるから右(陰)という概念がある
体内でも、陰と陽のバランスをとって体温を調整したりしていると考えます。
ちょっとおもしろいな、と思ったのが、日本大学医学部の酒谷先生の研究グループが行った研究で
前頭葉の右側が「陽」
前頭葉の左側が「陰」
を調整していると考えられるというものです。
東洋医学的な陰陽の左右とは逆なのもちょっと興味深いです。
前頭葉は歯垢・言語機能・記憶・学習能力・感情のコントロールなど人間らしい機能(高次脳機能)をつかさどるところなんですが、
それだけでなく、ストレスを判断して自律神経やホルモン系の調整をする機能もあります。
どのように前頭葉の陰陽を判断したのか、気になりますよね。
ストレスを感じた時に、右の前頭葉が左側より強く活動する人は交感神経優位になって、血圧・心拍数が上昇し、ストレスホルモンが分泌されるそうですが
同様に、ストレスを感じた時に、左の前頭葉が強く活動する人はストレス反応(血圧・心拍数の上昇)が弱い
という結果になったそうです。
ストレスが起こった時、きっと遠い昔は敵や動物に襲われるとかそういうことだとして、
交感神経を優位にして戦うのか、逃げるのかを判断する必要があるので、前頭葉の右の反応が強くなるのは必要なんですが、
現代において、ストレスがかかった時に、いつもいつも心拍や血圧が上昇していてはからだが持ちません。
そこで、前頭葉の右が反応するグループに一日3回、プラス眠る前にいい香りを嗅いでもらったところ
同じく、右の反応が強いけれど何もしなかったグループと比べてストレスを感じた時に左が強く反応するように変化したそうです。
ちょっと美味しいものを頂いて、嫌なこと忘れちゃおう!(味覚)
とか、
疲れたからアロマの香りを嗅いで深く眠ろう(嗅覚)
とか、
美しいものをみよう(視覚)
とか
マッサージを受けよう(触覚)
とか
心地のよい音楽を聴こう(聴覚)
という五感は脳にとって大切なもののようです。
連休明け、ちょっと気分が上がらないんだとしたら、五感を刺激してみてはいかがでしょうか?