婦人科のクリニックで働いている時、名古屋のクリニックでは不妊治療は当時していなかったので、
月経トラブル、更年期症状の方が半々くらい、という感じでした。
もう一つのクリニックでは、不妊・更年期症状・月経トラブル、これが1/3づつ、という感じでした。
もちろん、これだけのお悩みではないのですが、婦人科に相談にいらっしゃる方が多いのはこんな感じ、です。
ということで、更年期のお話が続きます。
更年期症状が出る人と出ない人の違いって?
ホルモン変化への“感受性”の差
更年期の症状の大きな原因は、卵巣機能の低下による エストロゲン分泌の急激な減少が原因で、自律神経症状になってしまいます。
これについては、以前のブログで書いていますので、よかったらご覧くださいね。
ホルモンの減少自体はすべての女性に起こるのに、症状の出方には個人差があります。
これは
・自律神経の調整力
・脳のホルモン受容体の感受性
の違いによるものと考えられています。
生活習慣の影響
・睡眠不足
・過度のストレス
・運動不足
・食生活の乱れ(特に砂糖やアルコールのとりすぎ)
これらは自律神経やホルモンバランスを乱しやすく、症状を悪化させる要因になります。
逆に、バランスの良い食事・適度な運動・規則正しい生活は、更年期の症状を軽くしてくれる要素です。
って、更年期だけではないですけどね。
体質・遺伝
こればかりは仕方がない、とも思いますが、私個人のことですが、母は更年期症状がとてもひどかったのに、
私と姉は母がツラかった年齢になっても今のところ大丈夫です。
・家族歴(母親が更年期に強い症状があった場合、子世代も出やすい傾向にあるとか)
・太りやすい・痩せやすい体質
・冷えやすい、のぼせやすいといった体質の違い
これも「症状が出る人・出ない人」の分かれ道になると考えられています。
東洋医学的にはどう考えているのか?
以前にもブログで書きましたが、
東洋医学では、更年期の症状は 「腎虚」 をベースに、
・のぼせ・ほてり → 陰虚(体の潤い不足)
・冷え・むくみ → 陽虚(体を温める力不足)
・イライラ・不眠 → 肝気の滞り(ストレス体質)
として現れると考えます。
同じ更年期でも 「どのバランスが崩れているか」 によって、症状の出やすさやタイプが変わってくるんです。
なので、体質を観察してそれぞれの方に合った治療をしていくんですよね。
研究では、社会的サポートや人間関係の満足度も症状の強さに関係すると報告されています。
「悩みを相談できる人がいる」「更年期を前向きに捉えている」人は、症状が軽く感じられる傾向があるそうですよ。